ギターエフェクターの駆動に必要なアイテム、「パワーサプライ」。
しかし、今ひとつ「どんな役割なのか分かりづらい」という人もいるかもしれません。
そこでこの記事では、パワーサプライの役割と種類について解説します。
エフェクターのパワーサプライとは
パワーサプライは、複数のギターエフェクターに電力の供給をするアイテムです。
パワーサプライがあればエフェクターごとに電源を取る必要がなくなり、1つのコンセントで足りるようになります。
エフェクターのパワーサプライの必要性
複数のエフェクターを接続する場合、パワーサプライがあれば1つのコンセントから電源供給ができます。
電源アダプターに分岐ケーブルをつなげば事足りるように思うかもしれませんが、パワーサプライにはメリットがちゃんとあります。
アダプターは200~500mA程度、パワーサプライは1,000~2,000mA程度が多いです。
■ノイズ
パワーサプライの多くは電源から発生するノイズを抑える設計のものも多く、ノイズが発生しにくくなっています。
ただし、電源アダプターが2,500円程度なのに対し、パワーサプライは5,000円~数万円と、アダプターより価格が高めです。
パワーサプライの種類
パワーサプライには電源供給方法によって、「通常型」「分岐型」「アイソレート型」の3種類があります。
最も多くのギタリストに使用されているタイプ。
発売されているモデルの数も多く、価格も5,000円~15,000円程度の価格帯です。
■分岐型パワーサプライ
安価なものは数百円から買えるので、とにかく出費を抑えたい人に人気がありますが、ノイズが発生しやすいです。
■アイソレート型パワーサプライ
3種類の中で最もノイズを抑えてくれますが、価格が通常型よりもやや高めになっています。
種類によってノイズの発生や耐久力、電圧の安定性など特徴が異なります。
通常型パワーサプライ
通常型は、コンセントからの電気を1つの電源供給回路(レギュレーター)を使って分配し、複数のエフェクターに電源供給する方式のパワーサプライです。
最も一般的なパワーサプライなので、種類が豊富に販売されています。
注意点として、アナログとデジタル両方のエフェクターを同時に接続するとノイズが発生しやすいです。
アナログ・デジタルの両方を同時に使いたい場合は、アイソレート型がおすすめです。
分岐型パワーサプライ
電源アダプターからの電気を、ケーブルで複数に分岐させる方式です。
ケーブルによって複数のエフェクターに電気の供給が行えるので、コンパクトなエフェクトボードにできます。
通常型などに備わっているレギュレーターがないので、電圧が一定に保たれにくく、電圧の変化にともなう音質変化も起こりやすいです。
また、パソコンなどの機器と同じ電源から電気を取ると、ノイズを拾いやすくなります。
アイソレート型パワーサプライ
分配先ごとにレギュレーターが備わり、エフェクターごとに個別で電源供給が行われるのがアイソレート型です。
アナログとデジタルのエフェクターを同時に使ってもノイズが発生しないため、アナログとデジタルの混在で使いたい人におすすめ。
ノイズを抑止するノイズフィルターや、電圧の変化を抑える機能を備えたモデルも多く、安定した演奏環境の構築ができます。
通常型パワーサプライのおすすめ3選
種類も豊富な通常型のパワーサプライの中から、おすすめのモデルを3つ紹介します。
PD01 パワーディストリビューター/MAXON
MAXON PD01は、最大7台まで接続可能な、安定した電圧を供給するパワーサプライです。
付属のACアダプターに電圧安定回路が備わっているため、電源の電圧変化による音質変化を抑えてくれます。
ノイズを抑えた設計にもなっているので、ギター初心者にもおすすめです。
■販売価格(税込):9,240円
(画像引用元:伸音波製作所)
AC/DC Station VI/CUSTOM AUDIO JAPAN
8つの電源供給口を備えた、シンプルで使いやすいパワーサプライです。
見やすいデジタル電圧計を備えているので、供給電圧の様子がリアルタイムで確認できます。
電源から生じるノイズを抑えてくれるリニア方式を採用。耐久性のあるコンパクトなケースが採用されているので、エフェクトボードの場所を取りません。
■販売価格(税込):8,360円
(画像引用元:オカダインターナショナル)
KRP-001/K.E.S
リチウムイオンを内蔵しているため、電源の確保ができない場所や、屋外でもエフェクターの使用ができるパワーサプライです。
約3時間の充電で最大10時間の駆動が可能(消費100mA×5台接続時)で、ショート時に速やかに電源供給を遮断するショートプロテクション機能も搭載。
高級感あふれるゴールドカラーの筐体は、エフェクトボードに彩りも与えてくれます。
■販売価格(税込):11,000円
(画像引用元:キクタニミュージック)
分岐型パワーサプライのおすすめ3選
分岐型でおすすめのパワーサプライを3モデル紹介します。
最も費用が安く抑えられるパワーサプライで、ケーブルのみで構成されているので、設置の場所も取りません。
PCS20A/ROLAND
ROLANDのPCS20Aは、BOSS製エフェクターのTU-2やLS-2、NS-2を使っている人におすすめの分岐型パワーサプライです。
上記のエフェクターとアダプターPSA-100(BOSS製)にPCS20Aを接続すれば、最大で7台までのエフェクターに電源供給ができます。
■販売価格(税込):1,080円
(画像引用元:Roland Online Store)
1SPOT MC8 MULTI/VISUAL SOUND
VISUAL SOUNDの1SPOT MC8 MULTIは、同極性のエフェクターを最大で8台まで接続可能な、分岐型パワーサプライです。
ケーブル長に余裕があるので、エフェクトボード内でのケーブルの取り回しや、エフェクター設置位置の自由度が高いです。
エフェクター側のプラグがL字形なので、ケーブルが上に飛び出るように配置されることなく、すっきりまとまります。
■販売価格(税込):2,640円
(画像引用元:モリダイラ)
PDC8A/MOOER
安価な分岐型パワーサプライを探している人におすすめなのが、MOOERのPDC8Aです。
1つのDC電源から最大8台のエフェクターにDC供給ができます。
1,000円を切る価格(2024年5月現在)で販売されており、手軽にパワーサプライを使ってみたい人やできるだけ安価に抑えたい人におすすめです。
■販売価格(税込):900円
(画像引用元:MOOER)
アイソレート型パワーサプライのおすすめ3選
供給先ごとに独立して電源供給を行う、アイソレート型パワーサプライでおすすめのモデルを3つ紹介します。
アイソレート型は、アナログとデジタルのエフェクターを同時に使用したい人や、電圧の変化を抑えたい人におすすめです。
POWER CARRIER VA-08 MKII/VITAL AUDIO
VITAL AUDIOのVA-08 MKIIは、9V~18Vまで3種類の異なる電圧の供給が行える、アイソレート型パワーサプライです。
9V出力は500mAを上限に6ポート、最大で800mAの供給ができる9V~18Vの可変ポートが2つの計8ポートが備わっています。
より高い電圧の供給が行えるようになる、電圧昇圧用Yケーブも付属。特に歪み系を電圧すると、倍音が増えたような豊かで明るいサウンドになります。
注意点として、高い電圧で使用する場合は接続するエフェクターの耐圧を確認の上、使用してください。
■販売価格(税込):13,800円
(画像引用元:フックアップ)
Minimal Series Distro MKII Isolated/One Control
たくさんの電源出力ポートのあるアイソレート型が欲しい人は、One ControlのMinimal Series Distro MKII Isolatedがおすすめです。
80mAが4つ、250mAが2つ、500mAが4つの計10ものDC出力を備え、2つある250mAポートのうち1つは、ノブにより9~18Vの範囲で電圧が上げられます。
(18V使用時は最大125mA)
2つのポートを接続して18Vとして使えるY字型の昇圧ケーブルも付属しているので、エフェクターによっては、より豊かなサウンドが楽しめます。
■販売価格(税込):18,150円
(画像引用元:One Control)
Pedal Power X4/VOODOO LAB
VOODOO LAB Pedal Power X4は、コンパクトなアイソレート型パワーサプライを探している人におすすめです。
幅86mm×奥行き70mmのコンパクトな筐体に、同梱しているアダプターもコンパクトな設計なので、エフェクトボードがすっきりします。
完全アイソレートされた4つのポートを備え、こだわり抜いたパーツの選択に、ノイズを抑える設計です。
■販売価格(税込):16,800円
(画像引用元:ヤマハミュージックジャパン)
まとめ
数台のエフェクターに電源供給するパワーサプライには、通常型と分岐型、アイソレート型の3種類があります。
それぞれに特徴がありますので、使用するエフェクターや演奏環境に応じて選ぶとよいでしょう。