DigOut連載とはー?
数多くの若手アーティストをサポートしてきたDigOutが、今知ってほしいと思う若手アーティストやイベントなどを、全国各地から見つけて紹介していきます!
Curated by 遊津場
(Eggs公式キュレーター、AWA公式ユーザー、音楽ライター。若手邦ロックの分野に強く、RADIO CRAZYのANTENNA STAGE、閃光ライオット、十代白書などの公式レポを担当)
Crab 蟹 Club
Crab 蟹 Clubが東阪ワンマンツアー『From C to YOU』を来年開催します。大阪は1月31日にアメリカ村DROP、東京は2月6日に下北沢MOSAiCで行われます。
彼らは2021年に突如音楽シーンに現れ、ソーシャルメディア上でエッジなサウンドを横横無尽(これはHPの原文ママです。蟹ですから)にかき鳴らします。2024年にライブ活動を開始して以降も、デジタルサウンドが生む中毒性に、緻密なストーリー性、ライブならではの熱量も加わり、さらに彼らの世界線に没入する人が増えています。2025年末にSKID ZEROから離れ独立。クリエイティブユニット〈cLAB〉を始動させました。独立以降も3曲新曲をリリースし、『接続』のMVに関してはYouTubeハイプランキングでトップ100にランクインし、自身最速で10000再生に到達するなど活躍が続いています。
覆面バンドであり、ライブではKumoHana(Gt.Vo)以外はガスマスクで顔を隠すなどしてミステリアス性を保ちながらも、社会人バンドであることも公表し、特に独立以降はSNSでも現代を生きる社会人ミュージシャンらしい一面も見えてきて親近感が湧きます。その社会人らしさと高いクリエイティブが共存した6月リリースの楽曲『ごあんない』が、実は今年の僕のベストソング20に入ることは余裕で確定しているくらい好きです。
音源→MV→そして公開されているKumoHanaのセルフライナーノーツを聴いて見て聴いてすれば、とりあえず社会人の皆さんは飲んでいるビール缶をグシャッと握り潰すも、頭は「俺、今どこにいるんだっけ…?」と思考停止するはずです。
これを華やかなステージと恐らく定時退社ができているわけでもない日々のどちらも現在進行系で経験してきている人が鳴らすので、その意味合いが違います。しかも覆面バンドという特性や、そのミステリアスさのハードルを軽々と超えている2次元的なストーリー性のあるカッコいい過去の楽曲もフリになっている感じがあります。
「彼らもステージ以外では決められた日常を生きているんだ」と、バンドマンにふと思うことはありますし、そういうことを伝える楽曲は結構ありますが、そういう曲史上1位だと思っています。
こういうオーバーヒートしそうな葛藤が頭に巡りながらも、現実の自分は深夜にタクシーが静かに無機質なライトを点けながら、どこかに連れて行かれている。その感じを出す大人しめで奥行きのあるサウンドが、また虚しさを加速させています。
加えて嬉しかったのは、その少し減ったと思ったライブも進化してました。先日のMINAMI WHEELで見ましたが、熱量と煽りは過去イチ。事前にKumoHanaが「(自分が)最強にならないと成立しない」と言っていたセトリを見事熱演。「ワンマンってこれをあと3倍くらいの時間やるの?」と心配にさせるくらいの30分でした。今年はもうライブがない予定とのことですが、その分蓄えたクリエイティブと日々の鬱憤をあなたと共に完全に晴らすワンマンになるでしょう。
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