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<DigOut 連載vol.82>注目のアーティスト紹介コラムーー「松田今宵」

DigOut連載とはー?

数多くの若手アーティストをサポートしてきたDigOutが、今知ってほしいと思う若手アーティストやイベントなどを、全国各地から見つけて紹介していきます!

Curated by 遊津場

(Eggs公式キュレーター、AWA公式ユーザー、音楽ライター。若手邦ロックの分野に強く、RADIO CRAZYのANTENNA STAGE、閃光ライオット、十代白書などの公式レポを担当)

松田今宵

日々のざらつきと違和感を歌うシンガーソングライター・松田今宵が1st フルアルバム『新しいおかえり』をリリースしました。リリース当日の9/14にはワンマンライブも行いました。これにあたり、クラファンにも挑戦していましたが、目標を超える金額が集まっており、彼女の音楽へのたしかな信頼が感じられます。

数年前、ソロアーティストが隆盛の中でも不思議なポップスを歌うシンガーがいるなぁと思っていたのですが、このアルバムはさらにそのギターやDTMの感触が松田今宵色でしか出ないものになっているという印象です。電気信号って、人間の温もりによって色付けられたり、弾力が変えられるんですね。弾き語りにも、オルタナティブロックにも、脳内世界的なポップにもマッチする彼女の歌声にも引き込まれます。

もちろん作ってるのはMIXに至るまで彼女自身ですが、生み出した色んな音が自由に主張してきていて、それを彼女が「まぁまぁ」と優しくコントロールしたり、時には彼女自身がそのノリに合わせて、アートフルな作品に変えている場面が10曲37分12秒の中で体感しっぱなしでした。それはどの1日もが真っ直ぐ進むことなく、何かしらの新感覚があることを示しているようでした。そりゃ毎日家に帰れば「新しいおかえり」になるわけですわ。

本当に様々なタイプのキラーチューンの連続で、この文字数の中でピックアップするのが難しいのですが、セルフライナーノーツを読むと、彼女自身のいろんな記憶や傷、たらればを詰め込んでいることが分かります。『合唱コンクール』という曲については「合唱コンクールは普段いろんな葛藤を抱えている思春期の生徒達が、この日だけは同じ方向を向いて歌うのはおかしくて愛おしい」なんて、素敵な感性すぎるでしょ。そしてそれをこんなに鮮度高くできるチーム力の高さに脱帽です。

『散らかった部屋で』の記憶の曖昧さと繊細さを同時に表すようなギターの妙な甲高さと優しさのある音色が、二度と戻らないあの生活感を思い出させてくれます。こういう大人ピュアも描けちゃいます。『パラレルワールド〜奇跡的な仲直り〜』も喧嘩のエネルギーの尊さが伝わってすごい。

ソロシンガーは単曲、短曲でバズるしかないみたいな時代は終わりましたから、もうすぐあなたも良い曲を数知れず残しまくってる松田今宵と一緒に歌っている時間が来ます。

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