DigOut連載とはー?
数多くの若手アーティストをサポートしてきたDigOutが、今知ってほしいと思う若手アーティストやイベントなどを、全国各地から見つけて紹介していきます!
Curated by 遊津場
(Eggs公式キュレーター、AWA公式ユーザー、音楽ライター。若手邦ロックの分野に強く、RADIO CRAZYのANTENNA STAGE、閃光ライオット、十代白書などの公式レポを担当)
奏人心
福岡のロックバンド・奏人心が、3rdEP『kioku no naka』を9月9日にリリースしました。先行シングルとして配信リリースされた『Ma魔法hou -single version-』はアメリカ、イギリス、カナダ、ドイツのラジオ局でエアプレイされ、スペインのメディアでも複数取り上げられているなど、ライブハウスを主戦場にしながらも独自の展開で存在感を高めています。
2005年世代の彼らは高校生の頃からバンド活動を開始し、徐々に福岡以外でのライブ活動も増えていく中で、私は一昨年大阪のMINAMI WHEELでライブを見たのですが、リハーサルから圧倒されたのを覚えています。つい「今空いている人、見に来たほうがいい」とツイートしました。本編も硬派で周囲など関係なく今を全速力で駆け抜けていくスタイル。オルタナというカテゴリーで括ろうとしても、突き破って出てくるような個性がありました。
経験を重ねて今作はより歌と曲の良さを追求したとのこと。強力なエネルギーを分かりやすく轟音で前面に出すというよりは、人間が生きていく中で得ていく内側の繊細な感情と自然やいろんな人の生活が棲み着く都市の持つ雄大なエネルギーを調和して届けているような感覚です。しかし若者らしい衝動はミディアムテンポの中にもちゃんと乗っていて、切実な願いをまとったエネルギーはしっかり強いです。永松有斗夢(Ba.Vo)と山路あげは(Gt.Vo)の飾らない男女ツインボーカルもそれを生み出します。
東京の街や夏の広い空、生きてきた20年余りの時間という広大なスケールを体感してきても、結局最後は世界から見たらちっぽけな君のことが僕の心にはずっと残っているよ、魔法のように。という物語を想像できるので、ぜひCDを手に取って、3曲を順に聴いてから『Ma魔法hou』を聴いてほしいと思います。サブスクだと3曲目の『SAYANARA.』は聴けないのでね。
(英語版タイトルになっています)
9月26日にはオーディションを勝ち抜いて、りんご音楽祭に出演します。同世代のバンドにもいないタイプですし、昨今のオルタナシーンと比較しても異質で、しっかりライブで衝撃も与えることのできる自然体の言葉と音が、突風のように吹き荒れる予兆は既にあります。
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