DigOut連載とはー?
数多くの若手アーティストをサポートしてきたDigOutが、今知ってほしいと思う若手アーティストやイベントなどを、全国各地から見つけて紹介していきます!
Curated by 遊津場
(Eggs公式キュレーター、AWA公式ユーザー、音楽ライター。若手邦ロックの分野に強く、RADIO CRAZYのANTENNA STAGE、閃光ライオット、十代白書などの公式レポを担当)
アツキタケトモ
1996年生まれ、神奈川県出身の音楽家・アツキタケトモが新アルバム『29歳』を6月24日にリリースしました。
2026年6月25日で30歳を迎えるアツキタケトモが、その前日(=20代最後の日)にリリースした新作フルアルバム。2014年に当時高校生・竹友あつき名義でリリースしたデビュー作『17歳』のセルフ・オマージュとなる今作には、10代の頃に制作した楽曲を29歳の本人がプロデュースした楽曲群と、29歳の今を描いた新曲群が収録されており、一人の音楽家の10年以上に及ぶ音楽人生を表現した内容となっています。
彼自身の言葉でも多くこの作品は語られていますし、アルバムの特設サイトには各曲ごとのライナーノーツもあります。昔からいろいろ語ってくれている彼ではありますが、様々な名義での変遷や活動をしてきたことを、より包み隠さず、今の立場や感情で伝えてくれているので、読みながら楽しみましょう。
ちなみに私は彼のバンド時代に知り合い、インタビューしたり、Nolzyとしてライブ活動していた頃には企画ライブに出てくれたこともあります。またプライベートでも大阪に来たら飲みに来てね。
10代の頃に書いた『道しるべ』という曲を、29歳の自分が再プロデュースすると『秘密基地』という曲に変わるって、すごくオシャレじゃないですか?あの希望や不安を抱えて通ってきた道が、今では大切な人以外には内緒にしたくなるくらいの思い出深い場所に変わっていたと感じました。僕自身で言うと、実家にある昔好き勝手イラストを描いていたスケッチブックを開いて口がほころんでしまう感覚です。あれが耳でどこでも体験できちゃいます。
そんな感じで「10代の頃から今に至るまでの自分がこっちを見ている」というのを、リスナー自身も体験できる1枚です。それはもういろんな顔をしてますし、そういやあの時はあんな髪型してたなってことも思い出しました。『君は春風』を中盤に持ってきたのは、すごく考えたんだろうな…。
終わり方も…そうですね。あまりネタバレしないほうがいいかもしれません。ただ作品としては閉じながらも、時が止まるような非現実的なことはなく、リアルなその日の温度感が迫ってくることは保証します。
30代という、とても難しい立ち位置であることは、どの社会で生きていても共通の部分はあるでしょう。音楽に携わる者としては感性のコントロールがとても難しくなります。そんな時にこのアルバムは、少し救ってくれるものになるかもしれないと、33歳は思いました。
【各種リンク】
Instagram:https://www.instagram.com/atktktm

