DigOut編集部のよしおが選んだ楽曲たちをプレイリストにし、プレイリストに合わせた空想の物語を短編小説に昇華しました
“音楽を通して物語を楽しむ”をモットーに作った「Concept Playlist」
#10から少し時間が空いてしまいましたが、作りたいConcept Playlistが溜まってきたのでどんどん公開していきます!
今回のConcept Playlistのテーマは12月。イベントや行事が多くある12月は、気づいたら年を跨いでいた!なんて経験がある方も多くいらっしゃるかな、と思います。
そんな方に是非聴いてもらいたい、読んでもらいたいConcept Playlistに仕上がってます。暖かい格好で、ゆっくりと澄んだ空気と一緒に味わってみてください。寒いけど暖かい気持ちになります。
ホットコーヒーを片手に散歩しながら聴いて、ベンチで読んでみてはどうでしょう〜!!
バッハも羨むこんなプレイリスト
私は決まって毎朝1時間の散歩をする、同じ時間、同じ道順。
目覚ましより少し早く目が覚めて、古い木造の一軒家の階段を降りる。床は相変わらず少し冷たいけれど、その冷たさすらも“朝だな”と思わせてくれる合図みたいで私は嫌いじゃない。
障子の向こうから差し込む光は淡く、12月なのにどこか優しい。
玄関で靴を履き、イヤホンを耳に差し込む。再生ボタンを押すと、今日のプレイリストがすぐに機嫌よく動き出す。几帳面なのに軽やかで、真面目なのにどこか楽しそうな音の並び。これを聴いたら、バッハも羨むんじゃないかな、なんて思う。
家を出ると、空気はきりっとしているのに不思議と冷たすぎない。歩き出すと、足取りは自然と音楽に引っ張られていく。歩幅をテンポに合わせようとしなくても、気づけばぴったり合っている。
大きな公園に入ると、朝の世界は少しだけ賑やかになる。老夫婦を先導する犬が尻尾を振り、落ち葉が足元で軽く音を立てる。ベンチに座る人も、穏やかな顔をしながら公園内を流れる小川を見ている。葉を落とした木々さえ、寒そうというより、身軽そうに見える。
曲が変わるたびに、景色も気分も少しずつ色を変える。一時間の散歩は、考え事をする時間じゃなく、ただ気分が整っていく時間なんだと改めて思う。
帰り道、最後から二曲目が流れる頃、私はいつものコンビニに立ち寄る。特別な理由はない。ただ、この流れなら寄らない方が不自然な気がするだけだ。自動ドアが開き、暖かい空気と、前のお客さんがドリップしていたであろうコーヒーの香りが迎えてくれた。
もう一杯だけ、コーヒーを飲もう。
心地の良い音を立てながらドリップされていくコーヒー、そして心地の良い完了音が鳴る。カップを持ち、外に出て早速一口飲むと、しっかりとした苦さが鼻を通る。そして冬の香りがすかさず迎えに来て、思わず口角が上がってしまう。
自宅の屋根が見えてきた頃、プレイリストは静かに終わる。
「冬に飲むコーヒーって、やっぱ美味いよなぁ〜」
不揃いの靴下を見下ろしながらそんなことを呟く。
今日もいい朝が始まる。

