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​​<DigOut 連載vol.16>注目のアーティスト紹介コラムーー「メとメ」

DigOut連載とはー?

数多くの若手アーティストをサポートしてきたDigOutが、今知ってほしいと思う若手アーティストやイベントなどを、全国各地から見つけて紹介していきます!

Curated by 遊津場

(Eggs公式キュレーター、AWA公式ユーザー、音楽ライター。若手邦ロックの分野に強く、RADIO CRAZYのANTENNA STAGE、閃光ライオット、十代白書などの公式レポを担当)

メとメ

名古屋のスリーピースロックバンド・メとメが1st Full Album『マイピース』をリリースしました。日常のいろんなシーンを切り取った楽曲が集まっており、出会ってくれたすべての方の生活に寄り添う1枚とのことです。

名古屋のライブハウスで育ち、22〜23才の彼女達が過ごしてきた日常を、等身大のままユーモラスな歌詞をシンプルなバンドサウンドに乗せます。それが全国のリスナーに届いていき、サーキットイベントのみならず、SUMMER SONICやSXSW、RISING SUN ROCK FESTIVALという大型イベントにも出演を果たしました。

夏の東名阪企画も経てリリースされた今作。CDのみ収録されている『暴れん坊な洗濯機』は聴けていないのですが、それでもフルアルバムの魅力が詰まっている1枚でした。ワンマンライブするなら、あえてこの曲順のまま見たいと思えたのは、ライブバンドのアルバムとして理想形なのかもしれません。ちなみにライブは去年の5月に1回見ただけなので、かなり引き出しが増えたであろうメとメをまた見たいと思いました。

『私専用』や『過去たらし』と彼女達らしいワードセンスやリズミカルさが光る恋愛ソングから始まります。『過去たらし』はBe Real.という単語を最も上手く歌詞に落とし込んだ曲だと思っていて、ハンブレッダーズが『銀河高速』で歌詞にTikTokという歌詞をあえて使った時のフィット感を思い出しました。『Good Day’s Song』ではリコーダーの音も入って、良い意味で気の抜けた安心感を与えます。

ただ中盤『コインランドリー』『運命じゃない』『きれいなもの』『二人色』で、心地よいグラデーションで雰囲気を変え、センチメンタルな世界観を描いています。そこからの流れで終盤に出てくる『小さな贅沢』は、本当にあなたの幸せに向けてだけ届いているように聴こえるでしょう。そして代表曲『あんたのこと』は、より“日常を切り取る”バンドとしての覚悟が伝わってきます。

小林加奈(Vo.Gt)のボーカルの力強さと柔軟さ、スリーピースだからこそのコーラスも含めた繊細なサウンド管理によって、バンドの旨味が十分に伝わってきます。朝、昼、夕方、夜、晴れ、曇り、雨、喜怒哀楽の温度感がイメージできます。そんな表現力の高さを、あくまで自分達の中の法定速度を守って届けるやり方に、こちらもニッコリ。このままのマイペースを守って、多くのピースを世の中に増やしてほしいです。

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