ギタリストの必須アイテムとも言えるエフェクターの中で、人気が高いのが「コーラス」です。
コーラスとはどんな効果を持つエフェクターなのか?おすすめのコーラスは?分かりやすく解説していきます。
コーラスはモジュレーション系エフェクターの1種
コーラスは、2つのスピーカーから音が聴こえる「ステレオ」のような、音に広がりや厚みを与えてくれるエフェクターです。
モジュレーション(変調)系の1つに分類されています。
モジュレーション系は音を揺らすエフェクター
モジュレーション系は音を遅らせたり変調させたりして、揺らぎ効果を与えるエフェクターです。原音とエフェクト音を同時に再生し、独特の揺れや厚みを生み出す仕組みです。
エフェクターによって遅延や変調の幅が異なりますが、演奏環境や好みに合わせ、度合いの調整をして使用するのが一般的です。
モジュレーション系にもさまざまな特徴がある
モジュレーション系は音の揺らし方の違いにより、大きく分けて3つのタイプに分かれます。
遅延系は、原音を遅延や変調させた「エフェクト音」と「原音」を合わせ、揺らぎを与えるエフェクターです。「コーラス」や「フランジャー」が遅延系にあたります。
コーラスよりフランジャーの方が遅延させる時間が短く、「ジェットサウンド」と呼ばれるジェット機のような音を作り出します。
■ 位相系
位相系は、音の相位を変化させたエフェクト音と原音を合わせ、音に揺らぎを与えるタイプです。
相位の変化とは、音の振動(周波数)の波が始まる位置をずらすことです。
「フェイザー」が位相系にあたります。
■ 音量・音程系
音量・音程系は音量を周期的に上下させ、音が震えているような効果を与えるタイプです。歌手やバイオリン奏者のようなビブラートをエフェクターで再現した「ビブラート」、より激しく上下させ、マシンガンのような音を作りだす「トレモロ」があります。
コーラスエフェクターの使い方
コーラスエフェクターは、組み合わせる音や使い方により、さまざまな変化が生まれます。
クリーンサウンドと組み合わせる
クリーンサウンド(歪んでいない自然な音)にコーラスを使えば、透明感のある音や、空間が広がったような奥行きのある音が出せます。
エレキギターに限らず、アコースティックギターやベースにもコーラスが使われることもあり、音に厚みが出せます。
歪みサウンドと組み合わせる
オーバードライブやディストーションなど、歪みサウンドとコーラスを組み合わせると厚みのある音になります。
元の歪んだ音だけでなく倍音にもコーラス効果が加わるので、歪みの中に爽やかさや厚みが生まれ、広がりのある音を作り出せるのがメリット。
倍音とは、音(周波数)を出した際に含まれる、元の周波数の2倍、3倍という周波数の音のことを指します。
常にかけっぱなしにする
常にコーラスを軽くかけておくと音に厚みが生まれ、ピッキングの強弱によっても音に変化を付けられます。
この場合、コーラスの効果が出すぎると、音が埋もれやすくなります。
常にかけっぱなしにする場合はできるだけコーラスを薄くかけるようにするといいでしょう。
おすすめのコーラスエフェクター6選
コーラスエフェクターには、「アナログコーラス」と「デジタルコーラス」があります。
それぞれの特徴とおすすめを紹介していきます。
アナログコーラス
アナログコーラスは、アナログ回路と「BBD素子」と言うパーツを使用したコーラスエフェクターです。
音が徐々に減衰していくので、自然で温かみのある音色が生まれます。
広がりと奥行きがある、美しいコーラスサウンドが欲しい方におすすめなのが、BOSS「Chorus CE-2W」。
美しいコーラスエフェクトを搭載した、ギターアンプの超定番「Roland JC-120」のコーラスを完全アナログ回路で再現しています。アナログ回路による温かみのある音色と広がりのある美しい響きで、特にアルペジオなど1音1音を鳴らす時に映えます。
■ M234 Analog Chorus/MXR(エム・エックス・アール)
温かみあるクリアな音のコーラスを探している方におすすめなのが、MXR「M234 Analog Chorus」です。
アナログコーラスの特徴である自然で温かみある音と、デジタルのようなクリアなコーラス音を作りだしてくれます。音色を調整するツマミが5つあり、高音を強調した伸びやかな音から、音全体を持ち上げるような厚みのある音まで、幅広いセッティングが可能です。
■ Melon Pan Chorus/Effects Bakery(エフェクツ・ベーカリー)
「コーラスとはどんな効果なのか手にとって試してみたい方」「少しでも安価なコーラスが欲しい方」におすすめなのが「Melon Pan Chorus」です。
エフェクト音と原音のミックス具合の調整ができ、揺れの具合を強くすればビブラートのような効果も出せます。
47×94×50mm(横×縦×高さ)というコンパクトサイズで場所を取らず、パステル色のカラーとメロンパンのイラストが可愛らしさを醸し出しています。
デジタルコーラス
デジタルコーラスは、心臓部にICチップを使ったデジタル回路のコーラスです。
アナログコーラスのように音の減衰がないため、クリアで伸びやかなサウンドを作り出します。
BOSS「Chorus Ensemble CE-5」は、幅広い音作りができるコーラスを探している方におすすめです。
Filterのツマミにより高音と低音の調整が行えるので、キンキンした高音を削ったり、低音を強調して厚みを持たせたりできます。CE-5の現行型はデジタル回路ですが、以前のモデルはアナログ回路となっており、本体裏のシールがブルーやピンクのものはアナログ回路です。
■ Corona Chorus /TC Electronic(ティーシー・エレクトロニクス)
インターネットに接続し、さまざまな音色に変更できる新しいタイプのコーラスが「Corona Chorus」です。
デジタルならではのクリアで抜けのよい音が作れるほか、パソコンやスマートフォンと接続し、さまざまな音色やセッティングされた音をダウンロードして使えます。世界のトップギタリストと同じサウンドも簡単にダウンロードして使えるので、幅広いコーラスサウンドが楽しめます。
■ Ola Chorus/strymon(ストライモン)
高機能で上質なコーラスサウンドが欲しい方におすすめなのが、strymon(ストライモン)の「Ola Chorus」です。3つのコーラスモードや、ピッキングの強弱でエフェクト効果が変化するENVモード、作ったセッティングを保存するメモリー機能を搭載しています。
デジタルコーラスながら、アナログ回路のような温かみのあるサウンドをシミュレートしており、アルマイト仕上げの高級感あるアルミボディーも存在感があります。
エフェクターはシェアリングサービスを使おう
エフェクターは新品や中古で購入する方法のほかに、シェアリングサービスもあります。
エフェクターのシェアリングサービスとは
エフェクターの購入にあたって、「自分の演奏環境で試してみたい」「お目当てのエフェクターが楽器店に置いていない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな時に便利なのが、エフェクターを個人間で貸し借りできるシェアリングサービスです。
シェアリングサービスは「TryOut」で
エフェクターのシェアリングサービスで、おすすめなのが「TryOut」。
2023年にスタートしたサービスで、週当たりおおむね1,000円台からエフェクターのレンタルができます。
エフェクターを貸したい人・借りたい人の双方が利用可能です。
貸したい人はアプリ上に商品を出品し、借りたい人は出品された商品の中からお目当てのエフェクターを選んで借ります。
「試奏したいけれど、楽器店では恥ずかしい」という方も、周りの目を気にすることなく自宅でとことん試せます。
シェアリングサービスを利用し、自分の演奏環境で試した後で購入するかどうかを決めれば、「買ったけれど思っていたのと違う」というズレも解消できるでしょう。
エフェクターを貸したい人はアプリ上で商品を出品し、借りたい人は出品された商品の中からお好きな商品を借りることができます。ユーザー間のレンタル予約やメッセージのやりとり、発送連絡は全てアプリ内で完結します。 エフェクターシェアリングサービス『TryOut』 - TryOut |
まとめ
コーラスは、数あるエフェクターの中でも人気が高く使える環境も多い種類の1つです。
ぜひギターの機材にコーラスを加えてみてください。
(画像はイメージです)