“自分だけの音楽”を作ってくれる時代が、すでにやってきています。
AIで誰でも簡単に、歌詞を入力するだけで曲ができたり、プロ顔負けの音源を自動生成したりと夢のような作曲が現実になりました。
前回のコラムでは、各ソフト(SUNO/Soundraw/AIVA/Synthesizer V)の機能比較、メリット、デメリットをまとめていきました。
前回のコラム
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【初心者必見】無料ですぐに使いこなせる音楽生成AIソフト4選!!
本コラムでは前回のコラムに引き続き、初心者でも扱える4つの人気AI音楽ツール(SUNO/Soundraw/AIVA/Synthesizer V)を使ってツールごとの特徴と使い方を交えながら紐解いていき、DigOut編集部のよしおが実際に1曲を完成させていこうと思います。
出来上がった楽曲は最後に挿入しているので最後までご覧ください!!
SUNO(読み:スノー)
SUNO最大の魅力は、なんといっても歌詞を打ち込むだけで曲が完成する手軽さ。
テンプレートも不要、メロディも自動、しかも歌入りの完成形音源が数秒で生成される。
上記画像を見てください。こちらの画像内にある歌詞はDigOut内で以前公開された<Concept Playlist #10>「来年の夏も」から一部抜粋した文章をそのまま引用したものとなります。
歌詞を入力した時点で、9割の作業は終了と言ってもいいでしょう。あとは“スタイル”の欄にイメージを書き込み、“作成する”というボタンを押せば完成となります。
歌詞をオートで作成することも可能なので実質、数回のクリックで完成するので今すぐ実感できます。
実際、慣れてくると「もっと自分の意図通りに仕上げたい」という欲が出てくる…そのとき重要になるのが、歌詞の設計力。
例えば、Aメロ/Bメロ/サビを意識して歌詞を分ける、抑揚のある言葉を選ぶ、韻を踏ませるなど…ほんの少し意識を変えるだけで、生成される曲のクオリティが格段に上がります。
Soundraw(読み:サウンドロー)
SUNOより更に直感的で、インストのみなのでオケ制作に最適です。編集機能を活かせば作品の“骨格”が整います。
Soundrawは、YouTubeやSNSでよく見かけるAI音楽生成の代名詞的存在と言っても過言ではないでしょう。
上記画像をご覧ください。ジャンルやムード、テーマ、曲の長さを自由に設定できるのでお好みで設定。
今回、ジャンルはロック、ムードをハッピー、テーマを旅行にして、曲の長さを30秒に設定…最後に生成ボタンを押せば出来上がりです。
自分である程度の方向性を指定して作れるため、BGMや歌モノの伴奏づくりに非常に向いています。
また、生成後の編集機能も強力です。イントロ・Aメロ・Bメロ・サビなど、セクション単位で音色を変更したり、パートごとに雰囲気を変えたりもできます。ちょっとした工夫で展開のある曲が作れるので、AIだけに任せきりにせず“自分の意志”を持ち込めるのがポイント。
動画の長さに合わせたBGM制作や、ラジオなどにもぴったりの曲が作れます。
AIVA(読み:アイヴァ)
AIVAは、重厚で感情的な楽曲が得意。MIDI書き出しで拡張性も◎
4ツールの中でも特に芸術性や構成美に強みを持つ作曲AI生成ツールです。映画音楽やクラシックのような感情の波を感じる重厚なBGMを数クリックで作成してくれます。
最大の特徴は、MIDIでの出力が可能(有料プラン)な点。例えば、AIVAで生成したメロディを自分のDAW(音楽制作ソフト)に取り込んで、細かく打ち直すこともできます。
これはつまり、AIに発想をもらい、自分で完成させるという作曲アプローチができるということです。
また、AIVAは映画やゲームのシーンにぴったり合う楽曲を作るのが得意。
ジャンルを「シネマティック」や「ドラマティック」にすると、起承転結のあるダイナミックな構成の音楽が出力される。
“人間的な情緒”に近い音が欲しいとき、AIVAは最大の力を発揮します。
Synthesizer V(読み:シンセサイザーブイ)
Synthesizer Vは、AI音楽制作における“声”の役割を担う存在です。
まるで人間が歌っているかのような自然で感情豊かな歌声が特徴で、他のAI作曲ツールと組み合わせることで、本格的な楽曲作品を生み出せます。
このソフトの強みは、細かすぎるほどのカスタマイズ性にあります。ピッチ、ブレス、抑揚、ビブラート、発音の滑らかさ…あらゆる要素をマウス操作で直感的に調整できるのがSynthesizer Vです。
日本語話者にとって嬉しいのが、歌詞入力の自由度が高く、発音精度が非常に高い点です。
また、有償のボイスバンク(AIシンガー)を導入すれば、男女・年齢・声質の異なるさまざまなボーカルを使い分けることが可能。AIが歌っていることを忘れるほど、リアルで繊細な“人の声”を手に入れることができます。
まとめ
今回紹介した4つのソフトは、それぞれ異なる役割を持ちながらも、連携させることで素晴らしい楽曲を作りあげることができます。
実際に編集部高島が、作業時間10分程度でAI生成ツールを使いSoundrawで作曲をし、SUNOで歌詞を付け楽曲を作ってみました。
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このようにテンポ・コード・構成などをもとに他のツールで再構築することで自分だけの1曲に育てられます。
SUNOで言葉から始め、Soundrawで骨組みを作り、AIVAで構成を支え、Synthesizer Vで命を吹き込む。考えるだけでも創作意欲が湧いてきますね。今後のAI技術発達から目が離せないのは間違いないでしょう!
参考リンク
Suno公式:https://www.suno.com/
Soundraw公式:https://soundraw.io/ja
DREAMTONICS公式:https://dreamtonics.com/synthesizerv/
AIVA公式:https://www.aiva.ai/