2014年にメジャーデビューし、今年で結成15周年を迎えた「シナリオアート」。
YouTubeチャンネルの登録者、Xのフォロワーはともに2万人を超え、テレビ東京系アニメーション「BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS」のエンディングテーマにも楽曲が採用されたことのある勢いのあるバンドだ。
今回は、シナリオアートの軌跡や今後、使用機材について話を聞いた。
シナリオアートは滋賀県発の3ピースバンド
「シナリオアート」のメンバーは写真左から、ベースでリーダーのヤマシタタカヒサ、ギターボーカルのハヤシコウスケ、ドラムボーカルのハットリクミコ。
男女ツインボーカルの3ピースバンドだ。
2024/7/6(土)北海道・札幌VyPass.
open 17:00 / start 17:30
ticket ¥4,500
2024/7/13(土)大阪府・北堀江club vijon
open 17:00 / start 17:30
ticket ¥4,500
2024/7/14(日)愛知県・名古屋ell.SIZE
open 17:00 / start 17:30
ticket ¥4,500
2024/7/20(土)福岡県・福岡UTERO
open 17:00 / start 17:30
ticket ¥4,500
2024/7/24(水)東京都・Shibuya WWW
open 18:00 / start 19:00
ticket ¥4,500
LivePocket チケット販売ページ
https://t.livepocket.jp/t/scene11
滋賀から全国へメジャーデビュー
バンドの歴史は2009年にさかのぼる。
高校の部活の先輩と後輩の関係だった、ハヤシとヤマシタがバンド「Scenarioart」を結成。
2011年にハットリが加入し、何度かのメンバーチェンジを経て、現在の3ピース体制が確立されている。
ーー滋賀で2~3年活動されてから、上京されたのですよね。東京に来たきっかけは何だったのでしょうか?
(ヤマシタ)「メジャーデビューのタイミングで来ました」
ーーシナリオアートさん、すごく人気ですものね!
(ヤマシタ)「デビューしたころは、滋賀でもワンマンライブをしたこともなかったくらいです。開催したところで、『お客さん本当に入るのかな?』ぐらいの感覚でしたよ」
バンドのコンセプトはボーカルとリアリティ
ーーシナリオアートのコンセプトを聞かせてください。
(ハヤシ)「ドラムボーカルは特色だと思っています。あとは、3人組でやってるところかな」
(ハットリ)「ツインボーカルなのは、確かに大事にしてるところですね」
ーー曲を聴いていると、ストーリーや映像が浮かんでくるようです。
(ヤマシタ)「最初のころは曲で物語を作ってるみたいなところが多かったのですが、だんだんリアリティーがあるというか、現実的な曲が増えてきている気がしますね」
「時代に逆行する」曲作り?
あらゆる人々の生活を変えたコロナ禍は、バンドマンたちにも影響を与えた。
シナリオアートには、どのような変化があったのだろうか。
作詞作曲は3人の”助け合い”
ーーシナリオアートの曲はどんな流れで生まれているのでしょうか?
(ハットリ)「コウスケさんが思い描いているものを出して、形にしていくことが多いです。そこで曲があまり出てこないと、私たち2人が作ってみることもあります。メンバーが助け合っていますね」
(ヤマシタ)「ハットリさんは作詞も作曲もしていますよね」
PCで作曲できる時代だからこそ、スタジオにこだわる
ーー15年活動してきて、曲作りに変化などはあったのでしょうか。
(ハヤシ)「どちらかと言えばもともとDTMで細かく構築していくことが多かったのですが、コロナ禍を経て、よりバンドらしくなっている気がします」
(ヤマシタ)「スタジオでセッションしながら曲作りをすることが増えてきましたよね」
(ハヤシ)「天邪鬼なのかなと(笑)」
(ハットリ)「時代に沿っていないよね(笑)」
ーー近年DTMで作るバンドが多い中で、逆にスタジオで曲作りするのはかっこいいなと思います。
(ハットリ)「最初は必ずスタジオでやります。でも曲の種を作るときは完全にDTMのみで進めるときと、3人でセッションするときとで分かれていますね。 いずれにしても、最後は必ずバンドに戻って曲作りしています」
ーーなぜDTMからスタジオの流れになったのですか?
(ハヤシ)「コロナ禍を経て周りを見ていると、効率の良さをみんな求め出したように見えたんです。ここで逆に、あまり効率的じゃないことを楽しんでいけたら、もっとバンドらしくなるんじゃないかなと」
3ピースならではの苦労とメリット
ーー3ピースバンドって、個々のスキルがないと成り立たないですよね。
(ハットリ)「私たちの場合はリードギターとキーボードが脱退したので、望んで3ピースになったわけではないんです。でもそこで、『どうやって抜けた穴を埋めるか?』ということを必死に考えたんですよね。『3人しかいなくてやばい!だからみんなで何でもやろう!』と頑張った記憶があります」
ーー3ピースという人数の縛りがあるのに、アイデア一つで格好良さが生まれてくるのはすごいです。
(ヤマシタ)「3人の何が良かったって、移動の車が広く使えるのがいいよね(笑)」
(ハットリ)「分かる!それが1番嬉しかった。遠征のとき、後ろの席で1人がバーンと寝られるのはいいよね(笑)」
機材ににじみ出るシナリオアートの個性
個性あふれるシナリオアートは、機材にも個性が表れていた。
常に新しい音を追求し続ける
ーーみなさんは音色や機材に関してのこだわりはありますか?
(ハットリ)「何か新しい機材を入れてきたら『えっ何それ?』と、2人(ハヤシ、ヤマシタ)が長い時間談義していますね」
(ヤマシタ)「いやもう機材を取っ替え引っ替えしていますね。だって、100%満足ってしなくないですか?『他にも何かいい音がありそう』と気になると止まらなくなるんですよね」
ーー「機材を導入することで曲ができる」というケースもあるんですか?
(ヤマシタ)「ありましたね。ベースでもディレイを入手したときに、ベースのディレイから始まる曲もありました」
ハヤシの音作りは「空間系」を取り入れる
ーー使っているギターはビンテージものですか。
(ハヤシ)「63年製のFender USAのジャズマスターです。ビンテージでいい音がしますよ」
ーーインプットからどう通っているのでしょうか?
(ハヤシ)「スイッチャーの『BOSSのES-5(Effects Switching System)』で分岐しています。エフェクターの残響が残せるんですよ」
ーー空間系が入っていますが、曲で使う場面は多いのでしょうか?
(ハヤシ)「曲によってはシンセ的な感じで使いますね。こっちはSTRYMONの『BigSky』で、使っているギタリストの多い美しいリバーブです。シナリオアートは曲の幅が広いので、日によって使い分けています」
ヤマシタのベースは「5弦」
ーーヤマシタさんは5弦ベースを使っているのですよね。
(ヤマシタ)「sugiの5弦で、最近購入しました。もともとはsugiの4弦を使っていたんですけど、思い切って変えたんです」
ーー4弦から5弦に変えるのに、苦労はなかったのでしょうか?
(ヤマシタ)「最初は全然慣れませんでしたね。買って2週間後にライブだったんですけど、集中力を要しましたよ。
曲が4弦ベース前提でのフレーズだったので、まだ5弦を使ったフレーズは意識しないと登場してこないんです。でも5弦にすることで4弦の音が太くなったんで、それだけでも自分の音が変わりましたね」
ハットリのセッティングは「距離の近さ」
ーーボーカルエフェクターを使用しているのですよね。
(ハットリ)「基本的に使っているのが普通のディレイ。ライブで使うと音が広がるピッチシフトも最近使っています。
マイクで気をつけているのが音量の高さ。ドラムの音の抜けがいいとマイクに乗ってしまうんですよね。他にも倍音やサスティーンが長くならないようにとか、気にするところはありますね」
ーー自分が歌いやすいようなドラムセッティングってあるんですか?
(ハットリ)「マイクに向かって歌いながらやってるんで、どうしても手が伸びきらない位置ってあるんですよ。だから基本的に自分の体に近いところに楽器をセッティングしてますね。でも近すぎると手が当たったり、スティックを落としたりことがかなり多いので、ギリギリの瀬戸際をいつも探しています(笑)」
シナリオアートの15年
結成から15年が経過したシナリオアート。
3人だからこそ積み上げられてきた歴史がある。
15年の軌跡は“奇跡”
ーー15周年ってよく考えたらすごく長いですよね。
(ハットリ)「誰よりも一緒に過ごしている3人なので、家族以上の存在ですね」
ーーメンバーの相性が合わないと、なかなか続かないことだと思います。
(ヤマシタ)「他のバンドから見たら、もしかしたらどうしようもない奴らかもしれないですよね(笑)。でも僕たち同士は相性が合っている。それは確かだと思っています」
「今の自分たち」を見せる1年に
ーー今後のビジョンや活動の目標を聞かせてください。
(ヤマシタ)「今年(2024年)で15周年。自分たちが15年続けてきたバンドが『今はこうだ!』というのを今年は見せていきたいなと思ってます」
(ハットリ)「6月19日には、7枚目のミニアルバム『sensitive sketch』をリリースしました。15周年という集大成を存分に入れ込んだ最高の作品ができましたので、ぜひみなさん各店で手に取ってみてくださいね。
また、7月6日からはワンマンツアーで全国5ヶ所(札幌、東京、名古屋、大阪、福岡)を回ります。みなさん各地に遊びに来ていただけたら嬉しいです!」
(3人)「お待ちしております!」
https://www.scenarioart.jp/
■15th anniversary & Release One-man Tour
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