名古屋で結成し、2019年2月に始動した3ピースバンド「amanojac」。
昨年は13ヶ所でツアーが行われ、今年1月のツアーファイナル、ワンマン公演はチケットが売り切れになるなど、彼らの名前は着実に広がり始めている。
「amanojac」の特徴はツインボーカルであること。
そこで、曲作りのこだわりや結成の経緯、使用機材に至るまで話を伺った。
amanojacは名古屋の専門学校で結成
amanojacのメンバーは、写真左からGt/Vo.のオオタケショウ、Dr/Choのしば、Ba/Vo.の桐山郁弥の3人。
名古屋の同じ音楽専門学校に通っていた桐山とオオタケ。
後に別の音楽専門学校に通っていたしばが加わり、今の「amanojac」に至っている。
対照的なツインボーカルが特徴
amanojacは、力強く前に押し出してくる歌声の桐山と、感情に触れるような優しい歌声のオオタケによる対照的なツインヴォーカルが特徴だ。
ーー3ピースバンドでツインボーカルって珍しいですよね。
(オオタケ)「やることが多いんですよ(笑)。 コーラスも歌うし、がっつり主線も歌いますしね」
(桐山)「リハーサル中に『ヴォーカルさん、声お願いします』って言われると、迷うよね(笑)」
(オオタケ)「(桐山と僕の)どっちのことを呼んでいるのかな?って(笑)」
ーー2019年に結成されて、5年が経つのですよね。
(しば)「自分は去年から1年サポートで入ってて、今年から正式に加入しました」
(オオタケ)「(しばは)新参者ですね(笑)」
突然の電話が始まり?!結成の経緯
ーーamanojacを結成したきっかけは何だったのですか?
(桐山)「元々、僕とオオタケが音楽の専門学校が一緒でした。バンドがやりたくてギターを弾ける人を探していた時に、当時のTwitter(現X)でオオタケが前にやっていたバンドの動画が出てきたんです。それを見ていきなり電話して、『俺とバンドやらない?』って誘ったのが始まりです」
(オオタケ)「ビックリしましたよ。『いいけどお前誰?』ってなりました(笑)」
ーー突然の電話は確かにそうなりますよね(笑)。
(桐山)「その後、同じ学校いたドラムと組んでたんですけど、そのドラムが抜けてしまったんです」
(しば)「僕は2人とは別の名古屋の専門学校に通っていたんですけど、その後にamanojacに入った形です」
ーー名古屋で活動しているということは、全員名古屋出身なんですか?
(オオタケ)「出身はバラバラです。自分は長野の山奥出身で」
(しば)「僕は京都の田舎です」
(桐山)「僕は愛知の名古屋ではない田舎町です」
メンバーそれぞれの好きな音を融合
曲が生まれるまでの流れや、ツインヴォーカルに至った理由を聞いた。
デモをメンバーそれぞれがアレンジ
ーー作曲の流れはどうなってるんですか?
(桐山)「作詞作曲は僕がしていますね。作曲は最初に弾き語りで作って、DTMで簡単なデモを作ります。それをメンバーそれぞれでアレンジしてもらって、スタジオで合わせる流れですね。枠組みは作るけど、『こういう風に変えてほしい』とか、『リードが浮かんでいないから合わせてほしい』と言って、持ってきてもらう感じです」
(オオタケ)「ギターソロって一番ギタリストの『我』が出るところだと思うんですけど、最近はそれを最後に作るようにしています。曲の全体像が見えてから、曲に寄り添うようにして『これどう?』みたいな。曲の全体を重視して何パターンか出していく形ですね」
(桐山)「自分が歌いやすいようにフレーズを考えていますね。ベースのサポートもするんですけど、ヴォーカルが歌いやすいことを意識してベースラインは作っています」
ツインヴォーカルの理由は『適材適所』
ーーツインヴォーカルとなると「ここ俺歌いたい」みたいな主張のぶつかり合いにならないんですか?
(桐山)「1曲を一番クオリティ高い状態で出そうするなら、それぞれの得意な音域を分けて歌ったらいいなというのが、ツインヴォーカルのきっかけなんですよ。『この部分はオオタケが歌った方が映えるな』などと考えて、振ってますね」
ーー「俺が歌いたい!」というよりは、客観的に見て桐山さんがパートを分けてるんですね。
(桐山)「オオタケは低音が映えるので、音域によって分けていますね」
ーーamanojacならではの適材適所があるのですね。
(オオタケ)「歌った後にギターソロとかがあるので、ギター担当はブラック企業だ!と言ってます(笑)」
ドラムは自分の引き出しを突っ込む
ーードラムのアレンジはどのようにしているのですか?
(しば)「事前に要望があったところはその通りにアレンジしてます。あとは、自分の引き出しを全部突っ込んでいる感じですね。自分の好きなフレーズが当てはまるように、好き勝手やってます」
(桐山)「ドラムだけは本当にわからないので、ありがたいですね。でも結構楽曲にバッチリハマることが多いので助かっています」
ーードラムは結構バンドの楽曲に合わせていくイメージがありました!
(しば)「3ピースだからか分かりませんが、結構好き勝手しても許されていますね。自分の好きなドラムが叩けているので、楽しいです!」
メンバーの機材見せて!
amanojacには、楽曲を下支えしつつ彩りを与える楽器の機材にも強いこだわりが見える。
桐山のベースの決め手は「かっこいい音」
ーーベースはPsychederhythmの『Standard-J』ですね。
(桐山)「FENDERの『MEXICO』を使っていたんですけど、専門学校を上がるときに、ハイエンドなベースがほしいなって思っていたんです。フラットな状態でハイが出る曲者なんですけれど。 ハイを出さないようにイコライザーで調整している感じですね。アンプヘッドはFenderの『Rumble 800』です。『かっこいい音が出るな』と思って買いました」
ーー足元の機材についても教えてください。
(桐山)「足元はTECH21の『Sansamp』とEBSの『MultiComp』です。Sansampはかけっぱなしで音作りをしてますね。MultiCompは速いテンポの曲は切って、ミドルテンポの時にかけています」
オオタケの音作りは「まるでパソコン」
ーーまずはギターを見せてください。
(オオタケ)「『Black Smoker Guitar』という、僕の出身地の長野で作ってるメーカーのものです。買うなら一生モノを買おうと決めて、色々弾いた中でこれがダントツで良かったですね。3ピースの中でもギターソロが多いバンドなので、バッキングとソロどちらもいけるところは重宝していますね」
ーーアンプはKemperですね。
(オオタケ)「ライブで10種類くらい音色を使うんですけど、これ1台でできるのですごくいいですね。足元のフットスイッチでKemperを操作していて、LANケーブルで接続してるので、本当にパソコンみたいなものですね」
ーーこだわりがすごく感じられます!
(オオタケ)「5年このバンドでやっててずっと音に悩まされてきたんですけど、これでやっと解決できた感じですね」
しばの機材は「自分の好きを詰め込んだ世界」
ーーしばさんの機材は持ち込みですか?
(しば)「ほとんどは持ち込みで、『Amedia』を使っています」
ーーどんな音の特徴がありますか?
(しば)「結構ダーキーというか、重いですね。粒だちがいいので、ロックでもガンガン使える。音の幅が広いので使いやすいシンバルです。バンドに合う音というよりは ひたすら自分の好きな音と好きなメーカーを詰め込んだ感じですね。」
ーースネアはMAPEXですね。
(しば)「『Black Panther Phatbob』で、12mmのメイプルシェルです。ペダルもMAPEXですね。人とかぶるのがあまり好きじゃなくて『ここら辺りを使ってる人はそうそういないだろうな』って。これを使っている人とマッチングしたら確実に仲良くなれます」
「若者の会話に出てくる」バンドへ
amanojacが目指す方向や理想について聞いてみた。
幅広い層の身近な存在になりたい
ーーamanojacの今後のビジョンはありますか?
(桐山)「学校で流行りたいですね!」
(しば)「青春ソング?(笑)」
(オオタケ)「今思いついただろ、それ(笑)」
(桐山)「今ライブハウスをメインに活動しているので、聴いてくれている人たちが限られている。普通の学生とか、サラリーマンが聴いてくれるようになれたら最高だなって思います」
(オオタケ)「ライブハウスに普段来ないような人たちね」
(桐山)「例えばですけど、親戚のおじさんが若い子に『今若者が聴いてるのはあれか、amanojacか?』みたいな会話が出てきたら嬉しいですよね。今だとOfficial髭男dismとか・・・」
ーー言わんとすること、とてもよく伝わります!!
東名阪ツアー開催&新曲MV公開中!
ーー最後に、告知をお願いします!
(桐山)「新曲の「Boy」のMV(ミュージックビデオ)が公開中です。また、ニューデジタルシングル「花束」をひっさげ、ツアーが始まります。
初日の6月4日は『渋谷CLUB CRAWL』、6月26日は大阪『福島2ndLINE』。ツアーファイナルは、7月8日の名古屋『新栄RAD SEVEN』で開催されますので、ぜひお越しください。よろしくお願いします!」
amanojac【Boy】Music Video
amanojac公式HP
https://amanojac.radcreation.jp/
amanojac presents 花束を束ねて購入サイト(eplus)
https://eplus.jp/sf/detail/K000000295