下北発のロックバンド ORCALAND （オルカラント）
明日への糧となる”楽しい”を届ける。耳に残る歌詞と一度見たら忘れられない情熱的なライブパフォーマンスを誇る４人組ロックバンドだ。
2023年に12カ月連続ライブ企画「ジントリ」を成功させるなど精力的にライブを行う彼ら。2024年2月14日に2ndミニアルバム「HERO’S HIGH」をリリースし、現在『2nd Mini Album Release Tour “HERO IS COMING”』のツアー真最中。そんな多忙な合間を縫って彼らにインタビューを実施した。
下北沢にある音楽スタジオで、インタビューのため席についてもらうと「ORCALANDです」と我々DigOut運営スタッフに元気な挨拶が返ってきた。明るい好青年４人の人柄がORCALANDの楽曲に直結しているのだろう。メンバーは左から村田京哉(Gt) 、こーてぃん(Dr) 、大塚祥輝(Gt,Vo)、 おとやん(Ba)だ。
下北生まれ下北育ちのライブバンド
ーーORCALAND結成してどれくらいですか？
（大塚祥輝）「2019年の9月に結成したので、今5年目ですね。今年の9月で５周年を迎えます」
（村田京哉）「その時に大塚(Gt,Vo) とこーてぃん(Dr)と村田(Gt)の３人で結成しました」
ーー元々バンド結成の前から繋がりがあったんですか？
（大塚祥輝）「学校関係ですね」
（こーてぃん）「僕たち４人は大学の軽音サークルに所属していて、元々僕と村田(Gt)で組んでいたバンドが解散して。「新しいバンドやりたいな」「次のヴォーカルどうしようかな」と思った時に、たまたま隣に大塚(Gt,Vo)がいて。ORCALANDを結成しました。3年くらいはおとやん(Ba)がサポートで入ってもらって、2022年に正式加入して2年たちました」
ーー全員同じ大学なんですね
（おとやん）「僕だけ違うんですよね、サークルに遊びに行ってた感じで」
（こーてぃん）「ちょっとややこしいんですけど、大塚意外が高校が一緒で、大学で大塚と知り合って。なので大塚以外とは付き合い長いんですけど」
（大塚祥輝）「いや、俺らも付き合い長いやろ（笑）」
そんな彼らは現在『2nd Mini Album Release Tour “HERO IS COMING”』の全国ツアー中で、日本各地でライブを行っている。
ーーさっき伺ったんですけど、昨日もライブしてたんですよね？
（大塚祥輝）「そうです。昨日は香川の高松でライブしてました。そのまま（東京に）帰って来ました」
前日の夜に香川の高松でライブを終え、深夜から朝方にかけて機材車で東京に帰ってきたばかりだったようだ。10時間の車移動を終えて、ほぼ無眠で午前中に行われた今回のインタビュー撮影に答えてくれている彼らの体力に驚きだ。
ーー普段は下北沢で活動をしてるんですか？
（大塚祥輝）「みんなの家の中心が下北沢なので、下北沢を中心にというのと、ORCALAND始動企画をしたのが下北沢というのもあって、下北沢を中心に活動をしています」
下北沢にゆかりのあるORCALAND。まさに下北沢で生まれ、今でも下北沢で成長を続けていく生粋のライブバンドである。
ーー作曲ってどういった流れで？
（大塚祥輝）「作曲はPCで大体のデモを作って、メンバーに投げて「いいね！」となった曲をスタジオで編曲するというのがメインの作り方です。基本的に自分発信で組み立てて、編曲はメンバーとたまにマネージャーも入れて作っていきます。作詞も主に僕なんですけど、曲によっては他のメンバーと作っていくこともあります」
大塚のアイディアを基に４人で１つの曲を作り上げ、スタジオで楽曲を育てていく。
それがORCALANDの楽曲制作スタイルのようだ。
活発なライブ活動を支えるエフェクターへのこだわり
大塚祥輝(Gt,Vo)
●OD-1X(BOSS)
メインの歪みで使っています。あったかみのある音というか、全弦迫力を出しつつ、アルペジオの綺麗な部分も出してくれるので「すげー優等生だな」って音ですね。
●FINEOverdrive(HUMAN GEAR)
クランチとクリーンの間の設定にしてMCやアルペジオなどしっとり聴かせたい時に使います。
●Ecstasy Blue(BOGNER)
今は控えで使っています。歪みを重ねたい時にメインの歪みに重ねがけします。
●MS-３(BOSS)
コンパクトエフェクターの上にかけられるコンプやディレイが内蔵されているマルチエフェクター内臓スイッチャーです。アコースティックシュミレーターもあったりして無限大すぎてまだ使いこなせていないんですけど、これから色々試していこうかなと思っています。
村田京哉(Gt)
●Helix LT(LINE6)
基本すべてこれで音作りをしてます。
これは20歳の頃にやってたバンドのメンバーから譲ってもらいました。
アンプのモデリングを全く使わないというのがこだわりですね。音作りは全てアンプで調整して、マルチエフェクターでは音色のみの設定にしてます。
マルチを使ってる人は「マルチエフェクターで音作りを完結させないといけない。」という思考の人が多いかもしれないですが、自分は全く逆で、アンプで音作りをしてマルチエフェクターはコンパクトエフェクターが収納されているもの、という考え方で作っています。
おとやん(Ba)
●Sansamp(TECH21)
歪みとして使ってます。音作りというよりはドライブ感を出したい時に使用しています。
●SBP-1 Bass Preamp(SADOWSKY)
サドウスキーらしい音色でハイの持ち上げがすごく綺麗で、それが気に入って基本かけています。
●BASS RIG Super Vintage(ORIGIN EFFECTS)
真空管ぽさというか、これをかけた時のミッドがすごく好きで。
他にも音色は調整できますが、歪みをかけた後に音が締まるので、基本ミッドを持ち上げるために使っています。
●SUMO COMP(SUMO STOMP)
コンプらしい音なのに、コンプの嫌なところを出さないでくれるという感覚があって。
スラップを多用するので、そこをかなり引き出してくれるコンプです。
スラップをする人にはおすすめです。
●Rhinotes(Vivie)
スラップの時に使っています。スラップの音ってライブだと埋もれちゃって何も聞こえない時があるので、それをカバーするために使ってます。歪み要素とハイが出やすいようになる印象です。
「誰1人置いて行かないロックバンド」「頭空っぽにして楽しめる音楽を」というのがORCALANDの芯のフレーズ
ーーORCALANDの中で大事にしてるものはなんでしょうか？
（大塚祥輝）「僕たちライブをたくさんやっていて、そのライブの中で1番伝えたいものって順位が変わったりするんですけど、「誰1人置いて行かないロックバンド」「頭空っぽにして楽しめる音楽を」というのがORCALANDの芯のフレーズになってるのかなと思います」
ーー大塚君って音楽の話になると顔つき変わりますね（笑） ヴォーカリストだなぁと（笑）
（大塚祥輝）「（笑）やっぱそうですね。音楽の話大好きですから。それ以外はもじもじするんすけど（笑）」
SNSが普及している今の音楽シーンの中で、彼らの人当たりの良い人柄と、彼らの持っている芯のフレーズ。
これはライブでこそ100％体感できるだろうと感じた。
ーーORCALAND今後のビジョンはありますか
（大塚祥輝）「やっぱり我々はとにかくたくさんの人と拳を交わしたい、顔を見たいというのがあります。そもそも音楽を続けていくのも、お客さんがたくさんいないと、バンドが5年後10年後と続いていかないと思うので。1番大事なところって音楽を続けていける環境だと思うんです。そのためにもより多くの人たちに俺たちの音楽を届けたいし、よりよく俺たちの音楽を届けるにはどうしたらいいんだろうって考えながらやっていきたいです。それを続けていって、より大きな環境で音楽がやりたいというのがビジョンにありますね」
４人が１つの方向を向いて、音楽に取り組んでいる。
インタビューで大きく感じたことは、ORCALANDメンバー４人の関係値が音にそのまま直結していることだ。メンバー同士の仲の良さから音楽に対する熱い姿勢を貫き、バンドの芯の部分を４人で共有し１つ方向を向いていることが、楽曲やライブに反映されている。
今後も「ORCALANDらしさ」を変えずに1つ1つのライブを大事にして、多くの音楽ファンがORCALANDから元気をもらえることだろう。
4月26日（金）新代田FEVERにて、彼らの全国ツアーファイナル
『ORCALAND 2nd Mini Album Release Tour “HERO IS COMING”』が開催される。
全国ツアーでさらにパワーアップしたORCALANDの集大成の音楽が、ツアーファイナルで見られるはずだ。