Interview
特別なルーツで「オリジナル」を駆け上がる、3人組バンド「天国姑娘」
2024.12.27
THE 1975やBeabadoobee、SuperOrganismなどから影響を受け、ロックとポップが融合した楽曲で多くの人の心を掴んでいる男女混合バンド「天国姑娘(読み:てんごくくーにゃん)」
11月6日にリリースした「Statement ii」を始め、どこか洋楽テイストを感じる楽曲を世界に向けて発信している。
今回は彼らの結成経緯から楽曲やライブへの想い、今後のビジョンなどをインタビューした。
出会いは大学のサークルから
左から
Teppei Yamaguchi (Ba, Gt, Cello) rino(Vo) Keita Tomatsuri(Gt, Vo, Key)
――「天国姑娘」を結成した経緯は?
rino(Vo):
出会ったのは大学のサークルです。元々はお互いが違うバンドを組んでいたんですけど、組んでいたバンドが解散するタイミングが重なって結成しました。
――結成してからどのくらい活動をしているのでしょうか?
Yamaguchi (Ba, Gt, Cello):
ちょうど2年くらいです。
「天国姑娘」の由来とは
――「天国姑娘」というバンド名の由来はありますか?
Yamaguchi (Ba, Gt, Cello):
最初は「天国ガール」という名前がキャッチーでいいんじゃないかと思っていたんですけど、後輩の女の子にバンド名を言ったら「浅はかすぎる」と言われて、中国語で「ガール=姑娘」と知って「天国姑娘」にしました。本当は「バスケットサッカーチーム」が良かったんですけど、メンバー誰も了承してくれなかったです(笑)
――メンバーの担当パートが多彩ですよね
Yamaguchi (Ba, Gt, Cello):
そうですね。レコーディングで入れている楽器は、ほぼメンバーが弾いています。
環境の変化でコンセプトにも変化があった
――「天国姑娘」のコンセプトはありますか?
rino(Vo):
当初は「Pop and Geek」というコンセプトで活動をしていて、私たちもオタク気質な面があるので、ポップな人もオタク気質な人でも広く共感してもらえるように活動をしていたんですけど、メンバーが脱退したりして方向性が変わった部分があって、ちょっとずつ以前のコンセプトから変化してきてます。
Tomatsuri(Gt, Vo, Key):
前まではブランディングを考えて活動していたんですけど、今は「なにも考えずに自分たちの好きな音楽をやろう」というマインドで活動していますね。
Yamaguchi (Ba, Gt, Cello):
なので結果として音楽的なクリエイティビティは前よりも上がったと思います。
個々の音楽のルーツを合わせる
――音楽のルーツは全員同じなのでしょうか?個々で違ってミックスされているのでしょうか?
Tomatsuri(Gt, Vo, Key):
個々で違いますね。ただメンバーの聴くジャンルの円が大きいので被るところはあるんですけど、核となるルーツの中心点は違うと思います。
Yamaguchi (Ba, Gt, Cello):
各々音楽のルーツが違うので、楽曲を作る際にいい形に合わさってオリジナルな楽曲になると思いますね。
rino(Vo):
共通する意識はあるので、そこがバンドの芯になっていると思います。
「天国姑娘」の楽曲へのこだわりとは
――楽曲のこだわりはありますか?
rino(Vo):
作曲は主にTeppei(Ba, Gt, Cello)がやっていて、今リリースしている楽曲は私とTomatsuri(Gt)が作っている曲もあります。
Tomatsuri(Gt, Vo, Key):
普通のバンドと少し違うのが、全員がしっかり作った状態で共有している点ですかね。特定の1人が楽曲を作ってくるとか、タネを持ってくる形ではなくて、それぞれがしっかり完成した状態で持っていくことが多いです。
帰国子女が英詞を作る
――作詞のこだわりはいかがでしょうか?
rino(Vo):
作詞は私とTomatsuri(Gt)2人で作っています。楽曲全部が英詞で、Tomatsuri(Gt)が英語が話せる帰国子女なので、英詞の修正は全て担当してもらっています。
ライブでは誰にも負けたくない
――ライブに対してのこだわりや大切にしているものはありますか?
Yamaguchi (Ba, Gt, Cello):
個人的には負けず嫌いなので、クオリティとかで対バンのバンドに負けたくない気持ちでやっていますね。あとはお客さんに満足感を与えたいなと思っています。ライブを見に行くって電車乗ったり、2,500円とか払って見たりって結構大変だと思うんですよね。なのでその対価として高いクオリティのライブを提供できたらと思っています。
rino(Vo):
私は音楽の面白さを伝えたいと思っているので、その面白さが伝わればいいなと思っています。
バンドのオリジナリティを出すこだわりの機材とは
自分の声にあったマイクに出会う
rino(Vo)
マイク:SHURE / BETA 58A BETA 57A
rino(Vo):
声を抜けさせたくて自分の声の帯域に合うマイクを探していたんですけど、色々試してみた中でSHUREが合うと思って買いました。SHURE独特の硬さがある印象です。最近はBETA57を使ってSHUREの中でも自分に合うマイクを探しています。BETA58は帯域でいうとハイが抜けやすくなってバンドサウンドに埋もれなくなる印象で、BETA 57は女性や声が細い声の方はより抜けやすくなる印象ですね。
ライブでかっこいいギターソロを作るために
Keita Tomatsuri(Gt, Vo, Key)
ギター:Fender Custom Shop Stratocaster
Tomatsuri(Gt, Vo, Key):
ずっと安いストラトを使っていたんですけど「いいものが欲しいな」と思っていた時に出会って購入しました。元々ギターにこだわりはなかったんですけど、最近は音の出し方を研究してきてて、音のクセがなくて好きですね。
使用機材
① XOTIC / RC Booster
② ELECTRO-HARMONIX / BIG MUFF PI (Classic)
③ PROCO / RAT
④ JHS Pedals / MORNING GLORY V4
⑤ EVENTIDE / H90
Tomatsuri(Gt, Vo, Key):
H90はメインは空間系の音色を使っていて、普通のコンパクトエフェクター以上の性能があるのと直列で繋がなくていいのところが気に入っています。歪みは3つ繋げていて、MORNING GLORY V4は最近導入したものです。シングルと合わせるとキラッとしたまろやかでちょうどいい歪みが気に入っています。BIG MUFFはずっと好きで使っていて、色々なシリーズを使っていたんですけど、大きなタイプが好きで使っています。RCはクリーンブースターで使っています。ハイをあげてライブハウスでカッコよくソロが聴こえるように工夫しています。
木材にこだわったベースとは
Teppei Yamaguchi (Ba, Gt, Cello)
ベース:Fender USA Precision bass
Yamaguchi (Ba, Gt, Cello):
いいプレベを探していたんですけど、市場にいい物がなくて友人に借りて使っています。バンドの色的にゴリッとした音のプレベが合うと思っています。ライブでヴォーカルを抜けさせたいので、帯域的にギターの下にいられるようなローズ指板とアルダーボディのプレベを使っています。木材は意識してベースを選ぶようにしています。
使用機材
① BEHRINGER / BDI21 V-Tone Bass
② ELECTRO-HARMONIX / BASS BIG MUFF PI
③ ELECTRO-HARMONIX / POG2
④ Empress Effects / Compressor MKII Silver
Yamaguchi (Ba, Gt, Cello):
コンプレッサーはEmpress Effectsで、コンプレッサーとしての性能も高いし、音色もプリアンプ的な変化があって好きですね。POG2はオクターバーです。ベースの音じゃないもので演奏する楽曲が何曲かあるので使っています。BASS BIG MUFFは歪ませるというよりかは、音を太くするために使っています。パンチが欲しい時にかけています。BEHRINGERはサンズアンプをモデルにしていて、プリアンプとしてではなく、ありえない音が作れるので、飛び道具として使っています。
新譜は前に向くための「声明文」
――11月6日にリリースした「Statement ii」では、そのようなメッセージを描いているのでしょうか?
rino(Vo):
まず「Statement ii」というタイトルからあって曲ができていて、「Statement」が「声明」という意味なんですけど、1番のAメロでは自分の好きな物を羅列していて「自分は好きなものに囲まれているから強いんだ」というような強がりな部分を書いていて、生きていく中で凹むことや打ちのめされる事があるけど、自分の好きなものが周りにあるから回復して前を向けるというような声明文のような物を歌詞にしています。
こだわりのレコーディング方法とは
――「Statement ii」の楽器の歪みのサウンドが特徴的ですが、レコーディングのこだわりは?
Yamaguchi (Ba, Gt, Cello):
ギターやヴォーカルは海外のインディーロックをイメージしてレコーディングしました。ヴィンテージのマイクやコンプレッサーを使って、エンジニアさんにもイメージを伝えた結果オールディーなサウンドになりました
実直ないい音を念頭に
――特徴的なサウンドは「天国姑娘」のこだわりの1つなのでしょうか?
Yamaguchi (Ba, Gt, Cello):
バンドの楽曲は全て同じエンジニアさんに依頼していて、エンジニアさんのこだわりの機材を使わせてもらって、音作りの方向性としては実直ないい音を録っていますね。
来年のアルバムの先に見るビジョンとは
――「天国姑娘」の今後のビジョンはありますか?
Yamaguchi (Ba, Gt, Cello):
色々な楽曲を発表してきて、自分のいいところを掴めてきたので、来年リリースするアルバムの先はより広がるような挑戦をしてみたいです。後は海外のバンドのオープニングアクトをしてみたいです。
rino(Vo):
来年にリリースするアルバムではヴォーカルとしてチャレンジしたものが多い楽曲が増えたので、それを基準にスキルアップしていきたいなと思っています。これからもっと多くの人に聴いてもらえるような活動をしていきたいですね。
Tomatsuri(Gt, Vo, Key):
海外の音楽を聴いているとまだまだ新しい発見があるので、日本の音楽シーンでまだ誰も取り入れていない形を取り入れてどんどん楽曲に反映させていきたいと思っています。
自分たちにとって「天国姑娘」とは
――「天国姑娘」を一言でお願いします
rino(Vo):
「階段」かなと思います。登っていくものだったり、自分自身をステップアップしていくものが私は「天国姑娘」というバンドなので、絶対に踏み外さずに歩き続けなければいけないものだと思っています。
Yamaguchi (Ba, Gt, Cello):
「音楽そのもの」ですね。自分が聴いてきた音楽を「天国姑娘」を通して世の中に他の2人と合わせてオリジナルなものとして発表できる場が「音楽そのもの」です。
Tomatsuri(Gt, Vo, Key):
「ビックバン」ですね。そういう感じで色々産み出して行きたいと思っているのでよろしくお願いします。
来年はアルバムをリリース予定
――最後に告知をお願いします
NISHIEIFUKU JAM presents「UHU」 2024→2025 COUNTDOWN PARTY
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ADV¥2,900 / DOOR¥3,400 / 学生一律¥2,000 + [1D別¥600]
姑娘は20:10〜!🍾
Ticket ⏬
https://tiget.net/events/356222
rino(Vo):
年明けに向けてアルバムを制作しているので、リリースして多くの人に聴いてもらえたらなと思います。それに伴ってリリースパーティーを企画しているので、ぜひライブにもきてください。
また12月27日に西永福JAMにてカウントダウンパーティーに参加する予定です。ぜひ一緒に忘年会しましょう。
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